答えにくい質問に対して、巧みに回答するためには
誤解されない話し方、炎上しない答え方という本を読んだ。
話し方や答え方に関するハウツー本。
ポイントは以下のとおり。
- まず結論から話す。
- 結論からでは伝わりにくい時は、結論の前に、「結論・理由・全体像」の概要を述べる。
- 答えにくい質問を受けた時は、軽く受け止め、補足的に説明を述べる。
この3点目がなかなか興味深かった。肝は、質問に対して何かしらの受け止めをしながらも、必ず「自分の考え」というものを付与している。これができると、仕事ができる人のイメージが持たれそうである。
本では3点目の具体例が豊富に紹介されており、以下に紹介する。
【質問】バイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビのような食料をエタノール燃料などの工業製品に変えるもので、その推進は、穀物価格の高騰と、地球規模の飢餓を招きかねない愚策ではないでしょうか?
【見出し解答】まず一点明確にさせてください。バイオ燃料の普及推進に関連して、一時、穀物価格が高騰したのは、投機資金が流入したことが原因のひとつです。
【ブリッジ】長期的な視点も必要です。
【キーメッセージ】石油は永続的なエネルギー源ではありません。私たちは様々な代替エネルギーを開発しなければなりません。バイオ燃料の原料は、トウモロコシやサトウキビのような食料となる穀物だけではありません。食物にならない農産廃棄物、木材加工廃棄物、森林の間伐材、生活ゴミなどや、海の藻類も原料として注目されています。食料と競合しないバイオ燃料の実用化じゅうぶんに可能であると思っています。
【質問】労働局へのパワハラ相談が年々増え続けています。職場環境から弱肉強食の思想を追放しないかぎり、パワハラはなくならないのではないでしょうか?
【見出し解答】そういう考え方もあるかもしれません。しかしそれは「言うは易し行うは難し」ではないでしょうか?
【ブリッジ】私たちは、いますぐパワハラを少なくするための方策はあると考えています。
【キーメッセージ】パワハラ防止のためにいま必要なことは、経営トップの意識改革です。経営トップが自らパワハラの問題を意識し、パワハラに向き合い、パワハラは社会的に許されないことだとのメッセージを発信し、社内風土の改善に取り組む姿勢を示すことで、パワハラは大きく減少すると思います。
他方、こういった考えや持論を付与するためには、必ず「自分の考え」というものを常に保持していなければならない。それはひょっとすると「誰かの受け売り」となるかもしれない。だが、こういう場ですぐに考えを頭の中に出せるように訓練しておくことが重要だと感じた。
自分の考えを持ち、それが適切な場面で頭の中から出せるようにする。それを可能ととするには、訓練が必要なのだろうが、自分はノートを使って考えを日ごろからまとめるようにしている。…といっても最近さぼりがちである。もっとちゃんと習慣づけて、経営学なり、ちゃんと持論を持つようにしたい。