とびきり!中小企業診断士☆受験ブログ

中小企業診断士を目指す男の日々を記す。

スモールビジネス・マーケティング(岩崎邦彦)を改めて読む

 

 

改めて読みなおす。中小企業診断士試験の事例2のバイブル。

 

スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

スモールビジネス・マーケティング―小規模を強みに変えるマーケティング・プログラム

 

 

よくできている。小規模であることのメリットを最大限に生かすためのマーケティング戦略を明らかにする本である。2004年発行であるが、未だ色あせない部分は多い。

 

本書で具体的に取り扱っている戦略は、①本格化マーケティング(こだわり、個性、専門性を武器に顧客を創造する)、②人的コミュニケーション重視型マーケティング(くちコミを含む)、③関係性重視型マーケティング(ロイヤリティカード・プログラム)の3つを紹介している。

 

またスモールビジネスで切り札になるのは、「目に見えない資源」と「小規模特性」である。具体的には、専門知識、独自の経験、ノウハウ、顧客の信用、熟練技術、こだわりで、「小規模特性」は、変化対応力、地域密着力、個性化力等を含む。

 

 

このように小規模であることが強みとなりえる背景は何か。それは、21世紀の消費の特徴、すなわち「多様性」と「異質性」である。多様で異質な消費者の存在は市場を細分化し、大規模小売業のスケールメリットの発揮を制約することとなる。そこにスモールビジネスのチャンスが生まれるのだ。

 

また市場も成熟化していると言われる。消費者の買い物選択肢が増加した社会では、店の個性が消費者の満足に直結するようになるという。これを踏まえ、「大規模小売業がラージスケールゆえに参入が難しいマーケット」「小さいけれども確実に需要がある市場」を狙い撃ちにして、コア商品を持つことが重要だ。

 

コア商品を持つことによるメリットは多い。①店の個性を発信できる、②関連商品が販売できる、③他の商品群もレベルアップする、④ハロー効果(別の商品も望ましいと推測される)、⑤顧客を維持できる、⑥価格感応度の低下、⑦口コミの発生、といったメリットが生じる。

 

 

加えて小規模ビジネスの強みに、「変化力」がある。大規模小売業は「量のマーケティング」を効率的にマネジメントできるが、方向転換するときには、大きな困難とコストが伴う。一方、小規模小売業は、販売の現場と意思決定のポイントが一致しており、顧客のニーズをスピーディーに取り入れ、商品戦略や売り場に反映させることができる。

 

だが、これらの小規模メリットは潜在的に存在することが多い。このため、この潜在的なメリットを顕在化させるのが、中小企業診断士なのである。過去問を繰り返して解いた人は、知った理論が多いだろうが、体系的に学ぶには良い本である。

 

【参考】本格化マーケティングのポイントは、以下の通り。

・競争優位のコア基盤の確立

・コア商品の形成

・品揃えの垂直的拡充

・生活起点のアソートメント

・想定ターゲットの絞り込み

・「いかに安く売るか」でなく、「いかに安く売らずにすむのか」を考える

・ハイクオリティ・ライトプライスによる価値の向上

・品質・こだわりの品質化

・小売段階においても独自の価値を付加する