中小企業診断士という仕事は、天職といえるだろうか
中小企業診断士が天職という人は多そうだ。勝手なイメージだけど。
自分の裁量と責任をもって、日本経済の要である中小企業に助言を与え指針を示す。人助けを行い、喜びもある。社会に対するインパクトは大きく、達成感もある。他の同業者とのネットワークも繋ぎやすく、承認欲求も満たされやすい(※勝手な思い込みです)。天職に感じる人は多そうだ。
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最近、天職とは何かについて考えている。
色々と本を読んだ限りでは、天職とは以下の特徴を兼ね備えているという。
- 楽しく取り組めて、一番高い業績をあげられた仕事
- 仕事に没頭できて、時間を忘れるほど集中力を発揮できる
- 24時間その仕事に支配されていても、快いと感じるもの
- 精神と肉体が仕事の質を上げようと自然に動いてしまうもの
さらに19世紀の著述家ジョン・ラスキンは言った。仕事に喜びを見出すためには、適性がなければならい。やりすぎてはいけない。そして、達成感がなければならない、と。
中小企業診断士という仕事の中に、天職と思え、適性を感じる業務があり、そしてそこに達成感が持てることを、期待したい。あるとは思うのだけれどね。
最後に、司馬遼太郎の「坂の上の雲」で正岡子規が述べていた言葉を記す。
人間というのは蟹が甲羅に似せて穴を掘るがように、おのれの生まれつき背負っている器量どおりの穴をふかぶかと掘ってゆくしかないものじゃとおもえてきた
立身出世を志して上京し、哲学に関心を持つ中で、そこから自らの適性と時代を鑑み、文芸の道へと身を投じて行った。また同じ場面で、秋山真之も、以下のように述べている。
学士なんざ、めずらしがられているころでこそ、工科の学士は卒業早々に鉄橋を掛けたり、医科の学士はすぐさま病院長になったりしたが、これからはそうはいかぬ(1巻、P192)
自らの天職を考えつつ、同時に先の時代も見据える。その上で、自分のキャリアパスを考えていく必要があるのだろう。