ポアンカレのインキュベーションという問題解決の手法がある。
一言でいうと、「意識的かつ集中的に問題に取り組み、その後しばらく問題から離れる」という問題解決の手法だ。
これはポアンカレという数学者が、フックス関数について最初の論文を書いた際に使用した方法という。問題から離れている間に、潜在的な脳の部分が解決策を探してくれるのだろう。
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実はこの手法、自分は2017年度試験の事例4で使用した。最初に問題を見渡して、第4問(連結会計)に5分ほど集中的に取り組み、後は他の問題を解いてしばらく放置していた。しばらく寝かせておいたら(といっても30分程度だが)、いい解答が見つかるのではないか、と期待したからである。
実際、第4問(2)と(3)はそれなりのものが書けたのではないかと思う。最初は面食らう問題であったが、ちょっと取り組んで寝かせることで、毛嫌いする気持ちもなくなっていた。ちょっとしたテクニックに近い手法ではあるが、二次試験ではお勧めしたい。