外資系コンサルタントと中小企業診断士は何が違うのか
他方、外資系コンサルタント(経営系)と中小企業診断士は何が違うのだろうか。対象が中小企業を中心とするかで違いはありそうだが、両者は企業の問題解決という点では共通しており、似通った部分も多かろう。
実はこの疑問については、今も考えており、明確な答えは見つかっていない。外資系コンサル出身者で診断士の資格を取る人はごまんといるだろうし、そこに線を引くことはナンセンスなのかもしれない。(そもそも「外資系」と括るのも、如何なものかと思う。)
実際、巷でよく見る「外資系コンサルの~」と銘打った書物を見ても、使っているスキルに、診断士とそこまで差があるとは思えない。(使いこなせるか、となると話は違うのかもしれないが)エクセルやらプレゼンやら交渉やら、決して外資系コンサルに特化したものではないのだ。
コンサル会社にとっての人材育成
その一方、最近読んだネット記事で、コンサル会社の人材育成について紹介されていた。コンサルではまず徹底的に知識とスキルを叩き込み、「優秀な事務員」として仕立て上げる。そして恐ろしい量のケーススタディを経験し、実務能力を引き上げるのだとか。
コンサルティング会社はどうやって2,3年で新人を一流のビジネスパーソンに仕立てているのか。 | Books&Apps
外資系コンサルと中小企業診断士の違いをいうならば、この実践量の違いなのではないだろうか。中小企業診断士は、1次試験・2次試験で知識とスキルを問い、研修を15日程度やって資格を取得する。さすがに15日では、外資系コンサルの練習量に比べてちと少ないのではないか、という印象は否めない。
余談だが、このケーススタディは中途採用の面接でも行われる。自分もその昔、コンサル会社に面接に行った際に、ケーススタディのテストを行われた。ちなみにその時は転職仲介者がケーススタディのテストを行うことを自分に伝えておらず、準備もままならぬままケーススタディを行い、不採用となった。事前に教えてくれていれば…。
自分が中小企業診断士になったら
では、仮にこのような差があるとしたら、自分はどうするべきだろうか。
1つには、合格した後も徹底してケーススタディや実務訓練を行い、外資系コンサル出身者に追いつけ追い越せとシャカリキに学習することだろう。
他方、中小企業診断士の「強み」をのばすのも1つの選択肢だ。中小企業診断士の強みは、経営の知識とスキルがあることに加え、それぞれの強みがさらに1つあるという。IT系の会社で働いていた人や、工場で働いていた人は、自分の経験を活かして強みを作っていく。「同じ業界出身」の場合なんかは、実情がよくわかるので、マネジメント支援よりも「メンター」として、心の支えになってあげられるかもしれない。
このように比較すると、外資系コンサルにかなわない場面も多そうだが、中小企業診断士が強い土俵もありそうである。そのあたりの見極めを行い、診断士としての比較優位を活かし、必要な場所では連携していくことが、クライアントのためにも重要なのではないかと思う。
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