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(レビュー)Tribe of Mentors by Timothy Ferriss~ビジネス洋書ランキング1位

 

 

常々思っていたのだが、アメリカで話題になっているビジネス書が和書になるのは遅い。

 

最近では、NIKEの創業者に関する本「SHOE DOG(シュードッグ)」が2017年10月に発売されて話題になっていたが、これもアメリカでは2016年4月には発売されていたものである。

 

せっかくなので今アメリカで話題になっている本の書評を書いてみようと思う。今回は、今アメリカでビジネス書で1位を取っている、Tribe of Mentorsを取り扱う。

 

なお、タイトルの直訳は「良き指導者の集合体」となるだろうが、本のタイトルにするなら「世界のアイコンが答えた11の質問」とかか。

 

内容

本書では、世界の著名人130人以上(起業家、アスリート、芸術家等)に対して、11の質問を投げたものである。お勧めの著書やお勧めの買物や投資から、失敗談、奇妙な習慣まで、なかなか興味深いラインナップである。

 

ちなみに投げた質問は以下のとおり。

  1. これまで誰かに最もプレゼントした本は何?そしてなぜ?(またはあなたの人生に最も影響を与えた本は何?)
  2. ここ最近(半年)で、ポジティブな影響を与えた100ドル以下の買い物は何?
  3. 最近の成功に際して、あなたが陥った失敗は何?「好ましい失敗」ってある?
  4. もしもあなたが巨大な看板をどこにでも設置できて、何を書いてもいいとしたら、何を書く?そしてそれはなぜ?(短い言葉やパラグラフ等)
  5. あなたがこれまでにした、最も価値のあった投資(時間、金、エネルギー)って何?
  6. あなたが愛する、異常な習慣や、愚かなことって何?
  7. この5年で、どんな新しい信条、行為、習慣が、あなたの生活を最も改善した?
  8. 大学生に対して、「リアルな世界」に入るためにどんなアドバイスを送る?
  9. あなたの職業や専門性で聞いたことのある、悪い勧めって何?
  10. この5年で、何にたいしてNOと言うのがより得意になった?(気を紛らわすもの、誘い等)
  11. あなたが圧倒されたり注意散漫になった時、何をする?

 

著者

著者はティモシー・フェリス。アントレプレナーであり、エンジェル投資家・アドバイザーである。2011年には「週4時間」だけ働く。という本がヒットした。おそらくこのTribe of Mentorsもその内、和訳されることであろう。

 

感想

共通した質問を130人以上に投げかけるスタイルは、非常に読みやすい。1人数ページで終わるものなので、簡単に読み進める事ができ、すぐに再開することができる。テーマもライトなものであるが、学びとなることも多い。

 

特にこの本は、「成功者も自分と同じ人間なのだ」と認識することが出来るものだ。成功者も、何かしらの失敗をしてきたし、その失敗に苛まされ、苦しめられている。

 

6の質問も、偉大な人物にも狂ったような嗜好や習慣があると知ることができる。しかしこの質問も、真面目な話の中にちょっとしたスパイスのような位置づけで差し込まれており、全体をテンポよく読むうえで妙味を感じさせてくれる。

 

 

その一方で、お勧めの本や、成功者の習慣や意識についても気楽に学ぶことができる。失敗談やNOと言うのに苦労する事項なんかも同時に聞いているせいか、習慣なんかも「自分にも取り入れられるかもしれない」というような気分にさせてくれる。著名人との距離が近く感じるのだ。

 

読みやすい本ではあるが、この本は単なる娯楽としてではなく、読者の行動を期待している。この本を読んで、成功者も自分と同じ人間であると学びながら、習慣や意識等、学べるところは自分自身に取り入れていくことが、大事なのであろう。

 

ちなみにお勧めの本を答える1の質問については、以下のサイトに載っているそうだ。なかなか共通した本も多かったらしい。

https://tim.blog/2017/11/18/booklist/

 

* 

 

恐らくの予想だけれども、2018年末くらいにこの本の翻訳版が出て、それを踏まえて著名な日本人相手に共通した質問を投げた似たような本が発売されるのではないかな。

 

Tribe of Mentors: Short Life Advice from the Best in the World

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