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プロジェクトマネジメントの資格一覧(11種)と難易度比較(2020年12月版)

 

 

プロジェクトマネジメントが重要だと言われて久しい。

 

このため、世にはプロジェクトマネジメントの資格が溢れている。今やIT業界に限った話ではない。だが、PMPやらPMCやら名前が似たものが多く、何が何かいまいちよくわからない。

 

ので、整理した。

 

各資格を順に説明を見ても混乱すると思うので、最初に表にまとめる。

 

 

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プロジェクトマネジメントの資格一覧・比較表

1 PMP

米国PMIが認定するプロジェクトマネジメントの国際資格。同団体が策定したプロジェクトマネジメントの知識体系(Project Management Body of Knowledge: PMBOK)の理解が資格取得の中心となる。

 

プロジェクトマネジメントに関する資格のデファクト・スタンダードとして認知されており、ITだけでなく、建設といった他分野でも注目されている。

 

合格率は約60%だが、受験資格は少々厳しい。

・大卒以上→4500時間以上の実務経験、36カ月のPM経験

・高卒以上→7500時間以上の実務経験、60カ月のPM経験

上の条件を満たしたうえで、35時間のPM研修を受講し、初めてPMPを受験することができる。合格までの勉強は100~150時間ほど。さらに資格取得後も、3年ごとにPMに関する研修等を受けて申請し、資格更新を行う必要がある。

 

参考書はPMBOKとなり、こちらは現在第6版が出ている。日本語版の参考書も出ているが、PMBOK6版(日本語)はPMI日本支部で購入することが可能。

 

PMP試験 要点解説×対策問題(PMBOK第6版対応版)

PMP試験 要点解説×対策問題(PMBOK第6版対応版)

 

 

2 CAPM

 新人のプロジェクト・マネージャー、プロジェクト・チームメンバー、大学生、大学院を対象とした試験。PMPの初級者向け、という感じか。

 

3 プロジェクトマネージャ試験(PM)

IPA独立行政法人 情報処理推進機構)が主催する、情報処理技術者試験制度の一種。情報システム開発プロジェクト責任者向け。知名度はこれが一番高いような気がする。

 

情報処理技術者の試験の中でも最高難度である「レベル4」であり、難易度は高い。さらに問題には論文問題もあり、原稿用紙7~8枚を書く必要がある。

 

合格率も15%と厳しいが、受験料は比較的安い。

受験への門戸は広いが、年に1回のみ(10月頃)で合格はなかなか難しい、日本的な試験である。

 

日本の試験なので、参考書も書店にあふれている。

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2018年版

情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2018年版

 

 

4 PRINCE2

イギリス商務局(OGC)が開発したプロジェクトマネジメント方法論。プロジェクトの管理面、組織面、制御面をカバー。イギリスでのプロジェクトマネジメントのデファクトスタンダードになっている。

(ちなみにPRINCE2の意味は、Projects in Controlled Environments, 2nd version)

 

内容は事業、ビジネスにフォーカスしたものが多い。プロジェクトに対してコスト、納期で開発するのみならず、成果物を用いて価値を出すことにもフォーカスしている。

 

認定試験には、ファンデーション、プラクティショナー、プロフェッショナルの3種類がある。なおPMP保有者は、プラクティショナーから試験開始可能。 

(1)ファンデーション試験

  全75問(38問以上で合格)/1時間

(2)プラクティショナー試験

  9問、(40マーク)/3時間

  PRINCE2マニュアル参照可能

(3)プロフェッショナル

 2日と半日(泊まりで実施)

 グループワークとエクササイズで行い、19の基準で審査

 

なお、国連で推奨されている資格はPRINCE2の方とのこと。地域的にみると、PMPアメリカ、PRINCE2がイギリス、オーストラリア、ヨーロッパと分かれている模様。アフリカとか中東は特にどちらにも属さないとのこと。

 

参考書は日本語版も出ています。 

Managing Successful Projects with Prince2 (日本語版)

Managing Successful Projects with Prince2 (日本語版)

 

  

5 PMC(Project Management Coordinator)

特定非営利活動法人 日本プロジェクトマネジメント協会(Project Management Association of Japan: PMAJ)によって行われる試験。

 

受験資格は、PMC講習会を修了した人である。試験も年に6回ほどやっており、受験しやすさや難易度も、標準的なものではないかと思う。

 

出題内容は、P2M標準ガイドブックから出題される。プロジェクトマネジメントから70%、プロジェクト組織マネジメント12%、情報マネジメント12%、情報インフラストラクチャー6%、人材能力基盤12%。プロジェクトマネジメントに集中している印象である。70%以上で合格となる。

 

6 PMS(Project Management Specialist)

同じくPMAJが実施する試験。PMCの上級版だが、受験資格は特になし。

 

出題内容:P2M標準ガイドブックから出題される。主にプログラムマネジメント23%、プロジェクトマネジメント34%、事業経営基盤22%、知識基盤15%、人材能力基盤6%。

 

PMCに比べると、バランスよく出題されるという印象である。

 

PMPやPRINCE2と同様、更新する必要がある。更新登録料を払い、3年毎の更新のために研修等を受ける必要がある。日本版のPMP、PRINCE2といった感じかもしれない。

 

7 PMR(Project Manegement Registered)

PMCやPMSの応用版の試験。受験資格として、PMS資格登録者であり、プログラム・プロジェクトの実務経験が3年以上必要。

 

また試験は1次試験と2次試験がある。1次試験は書面審査、課題論述試験、面談審査がある。二次試験は筆記試験とワークショップにて評価される。このあたりはPRINCE2に近いかもしれない。

 

この資格も5年ごとに更新手続きを行う必要がある。なお、PMRのさらに上にPMA(Project Manegement Architect)も存在するが、こちらは未実施なので内容は不明。

 

8 PJM-A(Project Management Associate)

日本PMO協会によって認定される資格。プロジェクトの現場業務で習得すべき基本的な知識と技術の習得を証明する。

 

内容は、プロジェクトの全体像の理解、プロジェクトマネジメントの重要性を理解、即戦力となる最低限必要なプロジェクトマネジメントツールの知識と技術を身に着けることである。 

 

教材には、日本PMO協会のオンライン映像型Eラーニング教材(通信型教材)を使う。この教材を使用して学習した後、認定資格試験をオンラインで実施。75%以上の正答率で合格。他と比べると取得しやすい資格と言えるかもしれない。

 

9 PJM-S(Project Management Specialist)

PJM-Aの上位版。PMOの現場業務において基本として習得すべきPMOの知識を確認し、それを認定する実践重視の資格。

 

内容は、プロジェクトの全体像の理解、プロジェクトマネジメントの重要性を理解、即戦力となる最低限必要なプロジェクトマネジメントツールの知識と技術を取り扱う。受験の仕方はPJM-Aと同様。

 

10 CompTIA Project+

 小規模~中規模のプロジェクト管理者を対象。プロジェクトライフサイクルの管理、コミュニケーション、ステークホルダーとリソースの管理、プロジェクト文書の管理を評価する。

 プロジェクトマネジメントにおいて12カ月程度の実務経験により得られるスキルを想定。受験するための前提条件や資格もなく、更新は不要。受けやすい国際資格。

 

まとめ

プロジェクトマネジメント資格は、アメリカのPMP、イギリスのPRINCE2とあり、日本にはPM試験、P2M(PMC、PMS、PMR)、PJMがある。

 

この内、アメリカとイギリスは受験資格等が厳しいが試験は比較的合格しやすい。日本のPM試験は年に1回で合格率も低いが、誰でも受験することができる。その間にいるように見えるのがP2MやCompTIAである。各々の事情に合わせて試験を選ぶと良いのではないかと思う。

 

また海外でプロマネをする人は、PMPやPRINCE2があると良いであろう。IT業界にいる人はPM試験のステータスが高いであろうし、基礎を学びたいという人ならばP2M、PJMが良いかと思う。いずれにせよ、資格だけでなく実際のプロマネ経験がものを言う。

 

ソフトウェア開発もウォーターフォール開発からアジャイル開発へ変わるように、プロマネの技法や潮流も変化している。これら試験もたびたび内容が変化しており、時に内容を確認することが、自らのプロマネとしての資質を高める上で重要なのだろう。

 

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