このブログも診断士受験生のブログと銘打ちながら、最近はご無沙汰であった。
というわけで、今年の事例4の予想を適宜進めていきたい。個人的に、今年は企業価値がそろそろ出るのではないかと思う。平成16年、20年、24年と出て、それっきり出題されていない。しかしながら昨年はMAらしき問題も出題され、そろそろ出ても良いのではないかと考えている。
様々な企業価値計算
さて、企業価値計算と言えば大きく分けて以下の3つがある。これは過去に出題された内容なので、基礎として抑えておきたい。
1 コストアプローチ
・簿価純資産額法
・時価純資産法
2 インカムアプローチ
・収益還元法
・DCF法
3 マーケットアプローチ(他社との比較)
・株式市価法
・類似会社比較法
・マルチプル法
コストアプローチのメリット・デメリット
メリットは、会社の「精算時」に簡易に計算することができることである。
コストアプローチは、将来価値を考慮しない「資産」をすべて売却して現金化できる段階に使用するものであり、精算時以外には使用しにくいのがデメリットである。
インカムアプローチのメリット・デメリット
DCF法のメリットは、「将来の価値を基準」にしているため、事業計画などが立てやすい事、キャッシュフローを使うことで企業の実態を表しやすいことである。
デメリットは、将来の計画によって価値が変化する事、相続や精算の場面では使用に適さない事、である。
マーケットアプローチのメリット・デメリット
メリットは、実際の株価を考慮することから、客観性や市場での取引環境が反映されていることである。また手早く計算したい場合や、上場を狙う場合に価値が高い。デメリットは、他の事業とはコンセプトや成長ステージが異なる場合、類似の上場企業がない場合は、適切な価値の算出が難しいことである。
なお、類似業種比較法は、相続評価の際に使われるそうだ。
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これらの企業価値はM&Aの場面にて役立つものであるが、上記手法を組み合わせて、企業価値のレンジを出すという形で計算するのが望ましい。
なお、以上のメリット・デメリットは自分が調べて書いたものであり、正解でない可能性もある点、お含みおき頂きたい。正しくは、以下の公認会計士協会が出している「企業価値評価ガイドライン」等を参照頂きたい。