2018年度の「中小企業診断士白書」と「小規模企業白書」が公表された。
要約の要旨は以下のとおり。
- 生産性向上のために、既存の業務プロセスを見直すことが肝要。
- 人材活用面での工夫は、多能工化・兼任化が重要。
- IT活用は、業務領域間のデータ連携(財務会計と給与間のデータ連携等)や企業間のデータ連携が重要。
- 設備投資は、生産性向上のため省力化投資等を促進していく必要がある。
- 事業承継等を背景にM&Aが増加。企業間でシナジーを発揮することで生産性を高められる。
2.については2017年度の事例3で問われ、5.は事例4で問われた論点である。そう考えると、1、3、4については2018年度も問われる可能性がある。
特に「省力化投資」、「業務領域間のデータ連携」なんかは、試験でも問われそうな言葉である。しっかりと準備しておきたい。
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それにしても事業承継は本当に注目を浴びているトピックだね。企業診断2018年4月号でも事業承継がメイントピックとなっていた。昨今は経営者の老齢化により、企業が承継できずに廃業するというニュースもよく聞く。国としても、非常に懸念している問題なのだろう。
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さて、中小企業白書と小規模白書であるが、今年は二次対策としてしっかりと勉強しておきたい。一次試験には前年度の白書が利用されるのだが、二次試験には今年度の白書も読み込んでおくべきであろう。
では、どのように活用するか。
1つには、事例に出てくる中小企業への助言・提案に対するネタ探しである。白書は、中小企業、小規模企業における生産性向上のヒントとなるような事例を多く紹介している。これは二次試験における「助言」の項目で大いに役立つものである。読んでいてビビッとくるものはメモしておいて、ブログでも紹介していきたい。
もう1つは、昨今の中小企業を取り巻く傾向の確認である。昨今はM&Aや事業承継が注目を集めているが、そればかりが中小企業診断士ではない。しっかりと傾向を踏まえて、どのような論点が問われるかについて、問題を予測していきたいと思う。
余談ではあるが、自分は白書は図書館で見ることが多い。PDFでも公開されているが、やはり本で重みを感じながら読んだ方が、頭に入る気がする。
図解要説 中小企業白書&小規模企業白書を読む 2017年度対応版
- 作者: 安田武彦,東洋大学経済学部白書研究会
- 出版社/メーカー: 同友館
- 発売日: 2017/08/03
- メディア: 単行本
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