コストを下げるための在庫管理・在庫削減(事例3)
在庫管理について勉強している。
頻出のテーマというわけではないが、何が飛び出すか分からない事例3。多品種の業態は、在庫管理が必須という。一応勉強しておきたい。
在庫管理・在庫削減を行うメリット
1 保管費・管理費の削減
無駄な在庫を減らすと、当然ながら無駄な保管がなくなる。また在庫不足をなくすと、品薄・欠品によるイレギュラー業務が減ることとなる。
2 荷役費・輸送費が減る
過剰在庫をなくすと、作業環境が改善し、荷役費が減る。過剰在庫によって倉庫のスペースが減り、荷物の上げ下ろしが非効率的になってしまう。また在庫不足をなくすと、品薄・欠品によるイレギュラー業務が減り、無駄な輸送、緊急輸送が減ることで、荷役費や輸送費が減る。
特に日次で行っていた発注を、週次に変えて、前の週に次週の移庫予定を指示を行えば(次の週の間であればいつでもいい、という指示)、積載率を100%にすることも可能である。
在庫管理の手段
では、どうすれば在庫管理が行えるのか。
1 担当部門の設置
まずは全社を見渡せる担当部門を設置する必要がある。営業部や製造部門といった既存の部門が担うのは望ましくない。営業部であれば販売計画にもとづき過剰在庫が発生し、製造部門であれば需要が分からず過少在庫となる可能性がある。このため、まずは在庫管理担当部門を決め、そこがロジスティクス部門へと発展していくのが良い。
なお、販売計画にあわせた在庫管理は危険である。
2 在庫数を把握し、アイテムを絞り込む
ABC分析を行い、在庫している品目の削減を行う。またABC分析に基づき、発注方法を月次から週次に変えるなど、発注方法の改善もあわせて行う。
在庫数の管理においては、「量」ではなく「日数(出荷量の移動平均日数やリードタイム)」で管理することが重要である。また在庫の単位は、最小管理単位(SKU: Stock Keeping Unit)で見ることも必須である。(つまり「赤ボールペン」としてみるのではなく、「メーカーAの、XXシリーズ、0.5mmの芯の太さ、インクの色は赤ボールペン」)
3 在庫削減を行う
在庫過少は問題であるが、一般的に在庫削減を行うことが在庫管理では重要なことが多い。在庫を削減するためには、以下の方法があげられる。
- 発注ロットはなるべく小さくする
- 発注量も、(可能ならば)必要量のみの、最低発注量を心がける
- 調達先からの納品が、1か月に1度と決まっているならば、2週間に1度と頻度を下げる(ただし、パレット単位や、ケース単位など、荷役の手間が少ないロットで動かすことを心がける)。
- リードタイムを短くして、安全在庫を減らす。
4 その他
その他、在庫管理を行う方法として、目で見る管理の導入(在庫管理板、赤ラインの使用等)、保管方法の改善(保管場所の集約化、荷姿を標準化)、5Sの徹底などがある。
在庫管理を勉強して改めて思うのは、自分にとって馴染みがない、ということである。自分が実際に中小企業に対して助言せざるを得なくなったなら、しっかりと準備する必要がある…と痛感したのであった。