有事の時のマネージャーと、中小企業診断士に求められるスキル
中小企業診断士や経営コンサルタントに求められるスキル。それは時代によって異なるのであろう。…ということを以下の記事を読んで思った。
「今の上司はかわいそう」低成長時代の日本の「理想の上司」がするべき2つのこと | BUSINESS INSIDER JAPAN
上の記事では、理想の上司が行う事と銘打っているが、要はマネジメント側が行う事である。そして中小企業診断士は、マネジメント側に立つこととなる(であろう)。そう考えると、他人事とは思えない記事であった。
特に目が引かれたのは、以下の部分である。
今はM&Aや法律の知識はもちろん、テクノロジーの知識だってないと技術評価ができない。弁護士、税理士、会計士と、士業のスキルを全部持ちあわせていないとコンサルティングできなくなっているから大変だって。
中小企業診断士の試験も、経済からITまで多岐にわたり、幅広い知識が求められる。だが、この記事を読むと、それぞれの分野においても、本当に専門家としての知識を求めらえるのではないかと感じた。さわりだけ知っていて、走りながら知識を深めるのではダメで、専門家に近いレベルの知識が最初から求められる、と。
このあたりは難しい。診断士は、MFのような役割が求められるとも言う。必要に応じて、M&Aの専門家、企業法の専門家、税理士、社労士、会計士といった人とのネットワーキングこそが診断士に求められるスキルとも言う。知識はもっていなくても、誰に聞けばいいか、誰に依頼すればいいか分かっていればいいというのだ。ひょっとすると、マネージャーもそういうネットワーキングの方が求められているのかもしれない。
その他、目をひいたのは、成長している時は、マネージャーの存在が必要か分からない。有事の時にはマネージャーの手腕が発揮される、という部分である。高度経済成長期の時に中小企業診断士に求められた意見と、今の世の中で求められる助言は、結構違うのではないか。今の成長が止まっている時代では、求められる助言のシビアさが違うのではないか。そう感じた。
また本記事によると、マネージャーはフィードバックが少ないのが不幸だという。中小企業診断士もボーっとしていたら自分の助言に対するフィードバックはないかもしれない。だが、診断士の事業は競争であり、常に質を高めていかないと、再び業務を依頼されることはない。そういう点では、診断士はフィードバックが無い中でもPDCAサイクルを回し、自らを高めていくのだと思う。というか、そうやって高めていかない診断士は、やがて淘汰されていくのであろう。
あとこの記事を読んで、OKR(Objective and Key Results)という言葉を知った。KPIのより大局的な企業レベルで設定されるものらしい。あまり実感はないのだけれども、今後はOKRも着目されていくのかもしれない。
OKR(オーケーアール) シリコンバレー式で大胆な目標を達成する方法
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