中小企業診断士は経営コンサルとと呼ばれます。
そしてコンサルタントの国家資格のひとつであるキャリアコンサルタント。こちらは近年注目されている資格です。2016年から実施された、新しい資格です。
さてこちらの資格、私も色々あって、勉強はしたことがあります。実務経験がなければ認定講習を受けなければいけない試験なので、取得までは至っていませんが…。
ただキャリアコンサルタントの試験内容や業務内容を見ると、診断士にとっても役立つところ、シナジーを生みそうなところがあったので紹介します。
1 傾聴の力がつく
キャリアコンサルタントは、実技試験でカウンセリング力が評価されます。関係構築、問題の見立てから問題の把握、目標設定をして具体的方策に落とし込み、実際の実行支援をして問題解決へつなげる。これは診断士となって経営者をコンサルする際にも役立つものです。
経営者と関係構築するヒアリングを行い、問題を一緒に発見し、そのための解決策を提示する。そして解決策に沿って動くことができているか確認し、真の問題解決に向けて支援する事ができるようになると期待できるものです。
特にコミュニケーション力について、体系的に学びたい方は一度勉強だけでもしてみても良いと思います。私もかなり参考になりました。
2 問い合わせの窓口が増やせて、営業のチャンスが増える
キャリアコンサルタントの活躍の場も様々にあります。ハローワークや大学などがありますが、事業主向けにもサービスを提供する場もあります。「雇用調整助成金」や「印材開発支援助成金」などの給付金や助成金支援の窓口となったり、雇用を守る観点での事業主に対する支援などを切り口として、経営全体への支援やコンサルにつなげられる可能性があります。
また職員の定着率の改善といった組織の人の問題に対して提案できる打ち出し方もできますので、組織問題に強いというコンサルタント、としてブランディングにも役立つものになり得ます。
3 組織開発の専門性を深めることができる
中小企業診断士の試験科目にもありますが、「組織開発」も診断士にとって重要なテーマとなります。経営に対して数値目標などを設定して、その実現に向けた戦略をたてる支援をしても、その実施を行うのは組織や人となります。そこもしっかりと強固なものとしていかなければなりません。
組織を強くするために、組織構造そのものを組み替えるという提案もあり得ますが、そもそもとして社員のモチベーションや質を高めることも重要となります。そういった組織開発の提案だけでなく、人材の質的向上もあわせて図ることができる、差別化された要素をもった診断士としてなることも期待できます。
4 自分自身の適性やキャリアについても考えられる
中小企業診断士は多岐にわたる分野を扱うため、キャリアを自分で築いて行かなければいけません。その道筋については先輩診断士に聞くなどして情報収集する必要がありますが、そもそもとして自分の強みや適性、働く際の特性などについて自分でカウンセリングできるようになります。これによって、自分に適したキャリアを築き、人生を充実させられるという効果が期待できます。
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ちなみにこの試験、合格率は5~6割と受かりやすい資格です。ただ講習を受ける必要があるため、お金と時間に余裕のあるかたは、受講を検討しても良いのではないでしょうか。