最近、「メタ思考トレーニング(細谷功)」という本を読んだ。
メタ思考やWhy思考について学び、訓練し、身に着けることを目的とした本である。ささっと読めてなかなか身になった。特に目についたポイントは以下の2点である。
・「~の調査をして」と依頼を受けた時に行うアクション(思考)は2種類。(1)何をしてそれを調べるか?を考える。(2)そもそも、何のためにその仕事をするのか?を考える。メタ思考をする上で、後者は非常に重要。
・メタ思考やWhy思考を行うことは、相手を疑う事である。このため、嫌な奴、浮いた存在になる。
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現代において、「メタ思考」や「Why思考」について説明している本やウェブはいくらでもある。よって、ここでは説明を省略したい。だが、この本は簡単な例題を提示したり、ケーススタディを豊富に紹介しており、実践的な内容だったのがよかった。
メタ思考はコンサルや診断士にも必要な能力であろう。クライアントから説明されたことをホイホイと信じて、そのまま仕事を行っても普通の評価しかされない。常に「上位目標は何か?」を見据えつつ、より高い質の成果を上げることを考え続けなければならない。
…と頭で分かっていても、実際にこの思考を習慣づけることは難しい。この本は、その思考を身に着ける上での、ちょっとしたトレーニングになるであろう。
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ちなみに「メタ思考は嫌な奴になる」という文もちょっと気になった。診断士やコンサルタントは、クライアントに寄りそう存在という主張もあるが、同時にクライアントの話す内容は疑ってかかるべきというのも確かだ。
表面ではいい顔をして、伴走者のような優しい顔をしつつ、腹の中では相手を疑ってかかる。こういった矛盾を抱え込んだ上で、質の高い結果を提示するというのが一流のコンサルタント・診断士なのだろう。