あまり期待しないで読んだのだが、想定していたより役立つ情報が多かったので記録する。特に診断士の勉強をして、「フレーム」といった知識は十分もっていても、それを活用できていない、と感じる人は読んでみても良いかもしれない。
タイトルのとおり、 本書の目的は「思考停止」を脱却し、自分の頭で「考える」ことができるようになることを目的とする。
そのためのステップは、大きくいって3つあると感じた。
①「考えられない」状態からの脱却
②「考える」というフレームを使いこなす
③「意見を言えない」状態からの脱却
それぞれ述べると、①「考えられない」状態からの脱却については、まず自分の思考プロセスを客観視する事が必要となる。「物事を決め付ける」「他人の受け売りをする」「前例に基づいて意思決定する」「資料やデータをコピペする」といった特徴がないか、自問自答しなければならない。
その上で、日々の習慣として、まずは「考えなくちゃ」と感じる癖をつける。情報が与えられたら、「本当に正しい情報か?」と考え、他人の受け売りや前例に基づいて意思決定をしていたら、「ゼロベースで考えられないか?」と問う。そういった「意識のクセ」を意識的に持つようにする。
その次は、②「考える」というフレームを使いこなすことである。
何か問題や疑問が生じた場合は、その問題を「どういった観点でとらえるか?」というMECEで考え、問題や疑問を「細分化」し、「区別」する。特に「難しい事」と「難しくない事」を区別したり、「事実」と「想像」を区別したり、「思考(できる/できない)」や「感情(好き/嫌い)」と行動「(する/しない)」を区別すると、行動につなげやすくできる。
リフレーミングというのも有効である。ネガティブな意見や事実であっても、ポジティブにとらえることができる。
そして、③意見が言えない、という状態から脱却し、その考えを発していく。
考えや意見を言う行為のストッパーには、以下の4つがある。
(1)感情:不安、恐怖心、あきらめ等
つまらない発想、と恐れずとにかくやってみる。
(2)理性:思い込み、決め付け、否定
「ちょっと待てよ」と立ち止まり、ゼロベースで考える
(3)他人:他者の言動をうのみにせず、その根拠を自分で調べる
相手に、そもそもの概念を聞く。他者との人間関係や上下関係を一度無視する
(4)環境:日々の週間、慣習
「常識外れだ」と思う発想を歓迎する
この状態を脱却し、そして日々気づいたことや思ったことを、しっかりと記録しておくことが必要である。感度を高めるようにする。そして「絶対に正しい」という考えというものはない。常に正しいのかな、と疑問に持つことが重要である。
せっかく診断士試験で様々な知識やフレームワークを入手したのである。しっかりと活用していけるようにしていきたい。